物書き

2017年2月28日 (火)

新刊(?)紹介など

新年あけましておめでとうございます。

……もう2月も末ですけどね。
昨年から訳していた本が訳了でき、確定申告もすませ、細かい仕事も2つほど仕上げたので、放置していたブログで昨年末に刊行された拙訳書(↓)を紹介しに浮上しました。



近ごろどうも腸内細菌をはじめとするマイクロバイオームがちょっとしたブームのようで、本書の前にも以下のような本が出ており、



ほぼ同じ時期に以下の本も刊行されています。



そんななか、拙訳書の位置づけは腸内に限らず体の内部・表面のほか周囲の環境にも棲む細菌、ウイルス、菌類まで広く含めた「マイクロバイオーム」について、アメリカ自然史博物館の学芸員が概説したいわばマイクロバイオームの教科書のようなものです。ただ、教科書といっても平板な内容ではなく、枕カバーにはトイレのドアノブと同じぐらい豊かなマイクロバイオームがいるとか、飲み屋で話したくなるような小ネタがいっぱい。よろしければぜひお読みください。

ではそんなところで、そろそろブラックモレルが顔を出しそうな時期ですね。去年のきのこ写真もあげていませんが、今年はもう少しきのこ写真もアップできたらと思っております。

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2016年9月25日 (日)

新刊紹介

また半年放置してました。もはや年二回しか更新しないブログとなるのでしょうか。

そのあいだに訳書が2冊出ていたのでご紹介します。
まず7月に、2003年刊行のオリヴァー・サックス『タングステンおじさん』が文庫化されました。サックス先生は惜しくも去年亡くなられてしまいましたが、繊細な心をもつ少年時代のメモワールにのせて綴られたきらびやかな化学史をぜひともまた多くの方に味わっていただきたいと思います。



さらに9月24日、満を持してニック・レーンの最新作が刊行されました。邦題は原題と大きく違いますが、レーンの二作前の原題Power, Sex, Suicideがジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』をもじっているみたいだったので、あえて今回の邦題でそれをまねてみた次第。本書のテーマがストレートに伝わると思うのですが。

内容は、一言で言えば、「レーン史上最高難度にして最高にエキサイティングな本」です。生命の起源から初期の進化に至るまでを、エネルギー論で説明するという斬新かつ説得力のある主張はビル・ゲイツをも仰天させました。詳しくは、HONZに掲載された私の訳者あとがきを参考になさってください↓
http://honz.jp/articles/-/43334


きのこにかんしては、春はアミガサタケとハルシメジがそこそことれ、5月にカンゾウタケツアー、7月初めにキヌガサタケを見に行って、直後からタマゴタケやヤマドリタケモドキやムラサキヤマドリが出てきて、9月初めにタマゴタケの秋シーズンが再開しました。写真はありすぎて面倒なのでパス(ひどい)。

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2015年9月30日 (水)

新刊出ます

いつのまにか秋ですね。私の夏はどこへいったの?

私の夏はここへ行っていたようです↓

と、わざとらしい流れで新刊紹介です。刊行直後に早くもHONZで仲野先生が取り上げてくださいました。

http://honz.jp/articles/-/41855
先生ご自身、グリベック開発の話にとても興味をもたれていて、本書の主人公と言えるドラッカーにノーベル賞をとってほしいとおっしゃっていました。今年のノーベル賞ももうすぐ発表ですが、まさかとってしまったりして。

本書の内容をひとことで言えば、慢性骨髄性白血病(CML)の原因解明から特効薬の開発・販売に至る、研究者の努力と、利益優先体質の企業を変えた医師や患者の苦闘の物語です。

CMLの特効薬グリベックは、従来のがんの薬とはまったく違い、がんの原因を直接たたくことのできる「分子標的薬」の第一号でした。余命わずかの患者が一日一度の錠剤服用だけで完全寛解の状態に至るという信じられないほどの効果が出たにもかかわらず、患者数の少ない希少疾患ゆえにコスト回収への不安を感じた製薬会社が治験・販売に二の足を踏むというはたから見ても実にもどかしい状況を、正義の人ドラッカーや患者たちが奮闘の末、勝利を勝ち取るという爽快な読後感を味わえるヒューマンドラマです。前半の病因解明のくだりは専門的な話がからみあって多少難しさを感じるでしょうが、後半の治験あたりからは一気読み。ぜひとも多くの方に読んでいただきたいです。

秋のきのこは今年は2週間近くシーズンが早く、戻りのタマゴタケも8月末から出はじめて今ではもうほぼ終了してしまいました。そのへんのご報告もしたいけれど、今日はとりあえずこんなところで。

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2015年2月19日 (木)

期待の新刊出ます

あけましておめでとうございます。

……って何を今さらですが、今年初の更新なので一応。
なんだかんだでばたばたしてますが、新刊が出るのでご案内に浮上しました。

ミチオ・カクの翻訳もこれでもう4冊目となりますが、今回のテーマは「心」。理論物理学者として宇宙論や最先端の物理学にからめた本を書いてきた彼が、専門外のテーマに挑んだわけですが、心配ご無用。新鮮な物理の視点で脳と心をとらえ、最初の基本的な説明を越えたらSF顔負けのとんでもない脳神経科学の未来予想が続くので、あとはもう巻末まで読むのをやめられなくなります。ニューヨークタイムズ・ベストセラーのノンフィクション部門1位獲得も当然か。

正月明けからNHK総合で『NEXT WORLD』というシリーズ番組が放映されたのですが、ミチオ・カクの前作とこの新刊の内容がかなり使われており、本人も出演していたので、刊行前からおかげさまでかなり売れている模様です。3月にもBSでミチオ・カク出演番組があるそうなので、そちらも楽しみです。

そんなわけで、ぜひお手にとってご覧下さい。本書についてはこちらのイベントでも編集者とともにお話しする予定です。
http://techizen.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/12-9107.html

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2014年12月 6日 (土)

おひさしぶりです

ええと、完全にブログを放置していました。7月に始めるはずの仕事が前の仕事の関係で8月から始めることになり、毎朝6時か7時まで仕事をして寝るというもはやどこの国で暮らしているかわからない生活を続け、なんとか11月中旬に訳了。すぐさま前半のゲラが戻ってきたものの、なんとか人間らしい生活ができるようになりました。

そのあいだに秋は10月中旬に無理してきのこ合宿へも参加し、例年どおりハナイグチなどの鍋を堪能しました。今年はツイッターで呼びかけたこともあり、14人ぐらいの大人数で楽しくきのこ狩りや夜の宴会を楽しめました。訳了後の11/23にはきのこ仲間と二子玉のきのこアートを見て買ってから恵比寿のマッシュルームへ行ったり、その後お台場のキノコナイトへも出かけてきのこづくしの一日を過ごしました。
あと、9月には近所のシロのタマゴタケも味わっていました。今年は7月の第一陣は豊作だったものの、9月の第二陣は不作。
きのこはこのぐらいにして、11月中旬にはこんな訳書も刊行されております。
昨年末に苦労させられていた進化倫理学というかそんな感じの大部の書でして、内容の斬新さについては長谷川眞理子先生の解説が実にわかりやすく、なるほどそういうことだったのかと私自身気づかされた次第。いかんせん初版が少部数なのでこれでは苦労がまったく報われず、時給にすると世で言う最低賃金を下回るのではないかとすら思えてしまいますので、どうか増刷されますように。ちなみに本書も後半を3人の方に下訳をお願いいたしました。大変な苦労をともにしてくださり、感謝のきわみでございます。
そのほか、今月中旬にはこちらの本も刊行予定ですのでどうぞよろしく。

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2013年4月20日 (土)

ご恵贈書籍紹介

しばらくのあいだに何冊か知り合いの方々からいただいた本があったので、遅ればせながらお礼かたがたまとめてご紹介を。

同じ師匠の門下生であるKさんのお訳書。なにかと気になり議論になる放射能について、小項目形式でさまざまな物質や用語を紹介した本。単位の換算など丁寧な訳注を加えるところなどさすがKさんという感じです。
生徒のTさんのお訳書。毎度ながらご自分で見つけた本を刊行へもっていくお力がすごい。これも知識層には良い議論のネタを提供するのでは。
同業のYさんから。似非科学とは一線を画しているとのこと。科学的な議論が気になります。昔から植物を傷めるときに微弱な電流が流れるという話はありますが、もう一歩踏み込んだ議論の模様。

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2012年12月 6日 (木)

銀メダルいただいちゃいました

先日、ノンフィクションの出版翻訳にかかわる訳者編集者などが集まる忘年会に行ってきました。10年ぐらい前から出ていますが、今年はなんと投票で選ぶ今年の書籍で第2位をいただいてしまいました。いただいたのは『2100年の科学ライフ 』です。話すの苦手なのに受賞スピーチまでさせられちゃいましたが、同業者に認められ、しかもビジネス書が多いなかで科学書を選んでくださったことが本当にうれしくもありがたいです。刊行時期が近くて印象に残りやすかったのもよかったのかしら。

ちなみに順位はこう(2位は同数票)。

1位 『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

2位 『2100年の科学ライフ

   『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

3位 『スタンフォードの自分を変える教室

それから、しばらく頂き物の本を紹介していなかった気がするので、最近いただいた本をご紹介。

私の生徒さん1名と、私と同じ師匠の門下生仲間2名が混じっていらっしゃいます。生徒のMさんにいただきました。ありがとうございます。早川としては2冊目の元素ウンチク本ですね。私も大学で化学を専攻していながら化学の一般書が少ないので仕事に生かす機会があまりないのですが(といっても学卒だからたいして知識はない)、ちかごろ元素本がそこそこ出てますね。静かなブーム?

以上、今日も簡単にこのぐらいで。

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2012年10月18日 (木)

半年ぶりの訳書紹介

というわけで、先月末に刊行されていた訳書の紹介を今さらながらさせていただきます。きのこに心を奪われてそれどころじゃなかったんですよね^^)

パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ 』、『サイエンス・インポッシブル―SF世界は実現可能か 』に続くミチオ・カク拙訳の3冊目になります。昨日の日経新聞夕刊では、竹内薫氏が書評で5つ☆をつけてくださいました(私は内容未見ですが)。

以下、すでにメールなどで送った私の紹介文を転載します。忙しさにかこつけてごめんなさい。

前著『サイエンス・インポッシブル』で百万年単位の未来を思い描いた「科学のエンターテイナー」ミチオ・カクが、今度は300人以上の科学者への取材をもとに近未来を「サイエンス・ポシブル」として具体的に予言。SFの世界がここまで間近に迫っているとは仰天必至です。後半では人間の未来に対する文明論的・社会的考察もあり、諸刃の剣たる科学による自滅を防ぐために何が必要かについても触れていて、カク氏が科学の教育・啓蒙に熱心な理由がわかった気もしました。
ちなみにカク氏は本書刊行以降に起きた福島原発事故について、当初からかなり厳しい見方をしており、去年3月下旬にはブログで「早急に石棺で封じるしかない」と指摘したり、3か月後にはインタビューで日本政府が嘘を流布していることを指弾したりしていました。科学の未来に楽観的な彼がここまで書く事態の重大さに背筋が凍る思いをしたのを記憶しています。
以上、宣伝でした~。あと実は以下のきのこ図鑑も出ましたが、hontoなどでは発売しながらアマゾンは未入荷のようなのでまたのちほど。

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2012年6月30日 (土)

ずるいけれど事後報告^^)

えっと、昨日こんなイベントに出てきました。大勢の人の前で話すのに慣れていない私は胃が痛くなる思いをしていたので(^^)、事後報告で済ませちゃいます。

http://wired.jp/2012/06/07/utokyo-biology/

100人定員の会場に270人てなんなの。後ろの立ち見もあふれてわれわれの演壇の脇にもたくさん座り込む有様。なんでも東大生協のイベントとして始まって以来の人数だとか。半数は東大生、残りの半数も卒業生か関係者っぽかったけど、私の知り合いできのこクラスタの方々や、大学の同輩・先輩や、同業の訳者さん、翻訳学校の生徒さんたちもいらして一般人もかなりいた模様。集客力の源はもちろん若き生物学者の佐々木さんで、期待どおりてきぱきとした話しぶりと魅力的な内容ですっかり会場のみなさんをとりこにしていました。メインテーマが生物学の未来だったので、私の出る幕はあまりなかったのですが、それなのにワイアード本誌での翻訳書特集記事の話をふられて、せっかく記事に載せきれなかった良書をいくつかもってきたのに十分紹介できなかった自分のへたくそぶりに落ち込んでいます。あとで「机に並んでいる本の話はもっとしてくださらないのでしょうか」という質問があって少し救われました。しかしあのテーマに科学書を結びつけるのはちょっと苦しかったなー。なんかいたたまれない気分でした。それでも終演後はいろいろな方に話しかけてくださり、ありがたかったです。その後、佐々木さんやそのお仲間の方々と駅商店街のタイカレー屋で遅い食事をしながらハイレベルの研究の話をうかがいましたが、みなさん目的意識が強く、起業をしているような行動力の持ち主もいらして、最近の学生(や卒業生)はすごいわと圧倒されました。翌日の講義の準備もあるので私は早めにおいとまさせていただきましたけれど。いやー、バブル期に遊びほうけていた自分が恥ずかしい。

それと、前の週の土曜にお台場でやったキノコナイトを見に行った話はしましたっけ? キノコクラスタのTさんとHさんに加え、今年秋に刊行予定の拙訳きのこ図鑑の推薦文を書いて下さったIさんのお三方がきのこ愛を語るトークセッションだったわけですが、本当に楽しかった。ツイッターで知り合ったきのこ仲間ともたくさんお会いできたし。ちゃっかり秋に出る図鑑の宣伝もできたし^^) 食事をしながらのショーだったので、協賛のホクトさんがつくったきのこ料理メニューもおいしかったです。飲み物にエリンギトニックとかエリンギハイボールなんかもあって、どちらも酒のなかにエリンギが漬かっている見た目がすごい。

そんな出会いの多いここ数日でした。

あと、今日の講義後に生徒のTさんが元生徒のMさんらと共訳で出された本を贈って下さったので、ここにご紹介。

数学の面白トピックを600ページにわたって紹介しているようで、相変わらず向こうのかたはたくさんお書きになられる。結構高度な数論も紹介されている模様。ありがとうございました。

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2012年5月26日 (土)

いただきもの2冊

なんだかんだで5月も下旬ですが、最近立てつづけに師匠の門下生仲間であるKさんからお訳書を頂戴したので、ご紹介。

こちらは宇宙の図鑑ですが、イラストがとてもよく工夫されていて、その工夫のしかたがたとえば風鈴のなかに星雲を閉じ込めたり、Tシャツに星の一生を描いたり、脈絡のなさがかえって子どもの興味を惹きそうでいい感じ。しかも著者・監修者ともちゃんとした専門家で、監修者のジャクリーン・ミットンは僕が十年以上愛用している『天文小辞典』の著者でもあります。

もう一冊も、Kさんでやはり天文もの。

なんともインパクトのあるタイトルで、一見したところ近ごろはやりの和ものミステリかと思ってしまいそう。だがじつは、冥王星降格騒動を起こした張本人の研究者が一連の事実を語った顛末記なのです。持ち込みで実現した企画らしく、Kさんお見事。同じ科学書でも、ヒューマンドラマの要素が濃いものは俄然面白いので、僕もやりたいところ。その点、今やってるのはちょっとつらいなあ。いかん、愚痴モードになってしまった。いや、すばらしい本ではあるんですけどね。

以上、いただきもののご紹介でした。

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