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2010年1月

2010年1月31日 (日)

ぶどうの丘で極楽気分

日帰りで勝沼まで吟行へ行ってきた。

朝は勝沼ぶどう郷まで中央本線の鈍行でのんびりと揺られ、風ひとつなく穏やかな日差しを浴びながら、はるかにブドウ棚が続く斜面を下り、またのぼる。冬とあって、あたりを散歩する観光客は皆無で、ブドウも今は次の生産に備えた剪定中で、ただ裸の蔓を寒々と毛細血管のように這わせるのみ。しかし途中出会った地元の農家の人によれば、4月ぐらいになると、切った蔓の先から露がしたたり落ちて、それは美しい光景なのだという。

ぶどうの丘をのぼりきると、甲府盆地に立ちこめた靄のせいで遠く南アルプスの山並みはよく見えなかったが、秩父から北アルプスに連なる山系はきれいに望め、金峰山の頂付近には雪も見える。乙女高原に星を見に足繁く通っていたころが懐かしい。

ちょうどお昼になったので、軽食のとれるレストランできつねうどんを食べ、そのあと温泉につかって身も心もふにゃふにゃになってから、予約していた会議室で選句会。今回は4句のうちひとつはせっかくこの地まで来たので「甲斐」を入れるという縛りがついていた。相変わらずのド素人なりにがんばり、ひとつは遊びで「生き甲斐」を使ったりもしたが、そんな遊んでる余裕はないはずだ、オレ。

終了後は売店で甲州ワインを漁る。あじろんという珍しい品種のぶどうを使ったワインがあるようなので、その赤ワインを購入。酸化防止剤無添加で、1500円程度は良心的。蒼龍葡萄酒という会社のものだ。ここぶどうの丘には、一帯にちらばるワイナリーのものが一堂に会しているので、一度に選べて非常に便利だ。

帰りの電車では一同ワンカップの葡萄酒を飲みながら、あっというまに着いてしまった。

楽しかったが、わざわざ鞄に入れてパソコンと原書とゲラを持ち歩いたのに、仕事はまったくせず。まあ当然の結末か。

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2010年1月24日 (日)

2010年問題

今日の朝日新聞に、「ネット暗号に2010年問題」と題した記事が載った。webにはまだアップされていないのでリンクを張れないが、簡単に言うと、近年の暗号解読のスピードアップによって、現在強固とされる電子署名などの暗号も危険性が増しており、次世代規格への移行が急がれているという内容。

ここ最近、「世界の8割の携帯で使用されている暗号方式の解読に成功した」とか、「巨大な素数の因数分解を個人が複数のパソコンを使用するだけで従来のスパコン並みのスピードで解いた」といったニュースが流れていたから、今さら指摘するまでもない問題かもしれないが、この問題は解読の危険だけにとどまらない気もする。まず、記事にもあったが、より複雑な暗号規格へ移行すれば一時的に危険を回避できるはずなのは確かだが、個人情報を扱う官民の重要なシステムのすべてが可及的速やかに移行されるとはとうてい思えない。その場合、今でさえ7&iなど大手企業での顧客情報漏洩が散見される状況がさらに悪化し、消費者はどこを信じてよいのか疑心暗鬼になるおそれがある。

今でも僕自身、ネット決済はつい二の足を踏むし、携帯でスイカなどの決済をするなんて怖くてできない。読み取り装置さえあれば、通りすがりに携帯から勝手に払わされてしまうのではないだろうか。

さらに、現在のネットの危険はこうした暗号破りにとどまらない。ヤフーなど大手のサイトがハッキングされ、ウイルスを埋め込まれたり、反体制組織のプロパガンダに利用されたりするケースも増えており、ひょっとするといずれ大規模な攻撃によってインターネットのシステムそのものがフリーズしてしまうような事態も起こりうるのではないかと思っている。そうなると今では社会のインフラが崩壊する危険もあるだろう。送電網がストップしたりするのではと危惧された(が杞憂だった)2000年問題の再来とも言える。今では2000年当時よりはるかにネットへの依存が増しているから、Y2K問題以上に問題は大きい。

そんなわけで、なんでも電子化へ向かう風潮に、僕はちょっと待ったと言いたい。確かに電子データにすれば、コンパクトに保管できるし、コピーや輸送も容易になるから便利だ。しかし、物の形がないので、なにかの事故でデータがだめになれば、存在した証拠はいっさい残らない。人類の知がすべて電子化され、なにかのきっかけで失われてしまったら、われわれの文明が滅びたあとに地球を訪れた者がいても、知の集積が伝わることはなく、電子化される以前の文化しか知られずに終わってしまうかもしれない。

そんな淋しい結末は嫌だから、紙の書籍をいっさいなくすような電子化には反対です。(結局そこかよ!)

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た~の~し~ん~だ~

ふくさん一家とHさんと『秘密結社鷹の爪ザ・ムービー3』を観てきた。

期待を裏切らないギャグセンスに終始笑いっぱなし。こんなに堂々と笑ってみられる映画も久しぶりだ。100席ぐらいのこぢんまりとした部屋だから、観客の一体感がなおさら強まったためかもしれない。某大御所からクレームがつかないかとヒヤヒヤするぎりぎりのパロディもあったが、それにCGで加担する『三丁目の夕日』などの山崎監督もたいしたものだ。分析するのは野暮な映画なので、これ以上は語らないが、苦労を重ねたフロッグマン氏だからこその、従来のアニメの殻を破るすばらしい作品だ。金かけるだけでいいものが作れるわけじゃないことと、時代を先取りするアピールのしかたを教えてくれる。作品中に広告をしのばせるプロダクトプレイスメントなんて、以前の作品からやってるけど、最近のテレビドラマのほうが後追いしてるんじゃないか?

映画の余韻にひたったまま、ミッドタウン近くの魚介のうまい店で晩飯。寄せ鍋では今季初のあんこうも食すことができた。味噌仕立てじゃないからあっさりしているが、これもありだな。そうだ、そろそろ茨城の知り合いのところへあんこう食べに行く予定を立てなきゃ。

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2010年1月17日 (日)

半年分話した

恵比寿の都写真美術館と、渋谷の新年会に行ってきた。

前者は後者のおまけのつもりだったが、案外よかった。新聞契約更新で「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン」のタダ券を2枚もらったので、ツイッターの呼びかけに反応したHさんと行ったわけだが、結果的にHさんが子連れで無料になったため、1枚余ってしまった。と思ったら、そのあとの師匠を囲む新年会で、すごい行きたくて懸賞に応募し忘れて残念に思っていたというNさんがいて、見事に消化できた。いやあ、無駄にならなくてよかったなあ。

Hさんのお子さまがいたのでふたりで交代で見てまわったが、写真って結構写す人による違いが出るもんなんだなあと今さらながら気づかされた。木村さんのは、人物をとても自然なまま写し取った巧まざる美という感じがしたけど、カルティエ=ブレッソンのほうは、非常に計算しつくされた感じ。

新年会のほうは、まあ半年に一度の息抜きという感じで、業界の話やら社会の話やらあれこれ話すうちに、1次会、2次会合わせていつのまにやら8時間経っていた。われながらよくしゃべるわ。みんなふだんのストイックな仕事の反動が出てるのかな~。いつもこんなこと言ってる気もするけど。

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2010年1月10日 (日)

年越しの完売

ジプシーワークがてら、年末に買い損なった酒を買いに再び久保田酒造へ行ってみた。

だが残念。目当ての発泡生濁り酒が今年は早くも完売したそうな。なんでも今年は酵母を変えてみたら、甘みが減って発泡性が増したらしく、例年以上に開栓時に注意が必要とのこと。利いてみたかったなあ。来年もこの酵母でいくかどうかわからないそうなので、まさに一期一会の酒だった可能性もある。

けれど代わりに新しいことも知った。濁り酒は造った酒を濾過せずそのまま詰めたものかと思っていたが、実はそうじゃないらしい。そのまま詰めると、おりの粒度が均等にならないから、一度濾過してふつうの透明な酒にしてから、おりをふるいで選別して細かいおりだけ改めて酒に入れ直すのだという。それも適度にかきまぜながら入れないとびんごとに均等にならないので、すべて人手の作業。ふだんより余計に手間が掛かっているのにふつうの生酒より安いとは、驚いた。いやあ、蔵元のそういう見えにくい努力には本当に頭が下がる。しかし、労力が価格に反映されにくいところは、われわれ出版翻訳者も似ているなあ、と勝手に親近感を覚えたり。

タイトルは、わかる人だけわかってください。あんまり上手くないけど。

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2010年1月 8日 (金)

放浪の仕事人

行きつけのファミレスのウエイトレスさんに別の店で見つかるのは、ちょっとこっぱずかしいものがある。

今日、いつものように勘定を済ませたとき、「あの、年末にKにいましたよね」と顔なじみの店員さんに言われたのだ。声を掛けようかと思ったら出るとこだったのでやめたそう。そのときは、すでに辞めた別の店員さんもいたらしく、なんかすごい偶然なのか、それとも行きやすい店だからなんだろうか。

そんな行きつけの店Dの四半期決算が発表され、えらい赤字を出して一部店舗を閉鎖するらしい。O157騒ぎも泣きっ面に蜂だったようだ。どこが閉鎖かまだわからないが、行きつけの店ならジプシーワーカーの僕には死活問題。ドリンクバーだけ頼む僕も店舗非効率の一端を担っているにちがいないが、たまには食事もするからどうか閉鎖しないでほしい。そこと、先述のKと、スーパーの近くの喫茶店は、家での仕事が煮詰まりがちな僕にはなくてはならない仕事場だから(自宅作業に飽きる奴はこんな仕事に向いてないだろ、って突っ込みはスルーしますw)。やはり、長居ができて落ち着いて作業のできる店は、店としては採算が悪いから厳しいのだろうか。でも人が多くて回転の速い店ばかりになって、食事だけが目的になるのも淋しいものがあるよね。こんなご時世だけに、どんどん世の中から余裕がなくなっていくように思える。ゆったりした店が長続きするいい方法はないのかなあ。

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2010年1月 4日 (月)

2010年になりました

帰宅なう。ってこれはツイッターじゃないか。

改めまして、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしく。

去年に後厄が終わったが、今年も初詣は桜木町へ。ここには伊勢山皇大神宮と成田山の分院が間近にあって、手軽にお参りをすませてベイエリアに遊びに行けるという絶好のロケーションなのだ。去年はランドマーク界隈をうろついたが、今年は横浜駅へ出てみた。ルミネの初売りがその日からとあって、エスカレータは大渋滞だったが、ファッションのフロアを過ぎると人が消え、5階の有隣堂に到着。いやあ、都会の書店はいいね。どのジャンルもまんべんなくそろっていて、科学書の棚もさらに細分化されてテーマごとに充実している。はるか昔の拙訳書もほとんどそろっていて感激した。これに比べてわが町の惨状はトホホである。ネットでも本は買えるが、求める分野の本を漫然と眺めてぴんとくるものを探す楽しみは、やはりリアル書店でないと味わえない。大学もある町なんだから、もう少しちゃんとした本屋を用意してほしいものだ。

久々に行った横浜は、大きく変わったところもあった。特に東口のそごうの北側は、昔はそごうの駐車場と遠距離バスのターミナルしかなかったのに、こじゃれた店舗の集まった複合施設になっていた。上の階のレストランからはベイ橋も望めるじゃないか。デートスポットにもなりそうだが、あいにくその日の連れは母ひとり。というわけで、そこのマクドで無線LANを使って調べた関内の焼き肉屋へ行くことに。伊勢佐木モールからちょっとそれたうら寂しい場所にあったが、著名人も来るとか書いてあっただけあって確かにおいしくて、お店の人の心遣いも気持ちよかった。正月ぐらい贅沢にとリミッタを解除したら、ふたりで1万4000円近くになったが、まあ仕方ない。せめてカードで払ってポイントをためるww。

そんなこんなで、年に一度の長期休暇を終えて、今日からはまた孤独な戦いの始まりだ。でも休み中は肩こりも消え、お通じもよくて、肌もカサカサでなくなり、なんかふだんより体調がよかった。これはストレスが減ったせいなのか、それともふだんの食生活がいけないのか?

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