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2009年9月17日 (木)

世界の片隅で平和を叫ぶ

半年ぐらい前に買っていたんだけど、先日やっと読み終わった漫画。

もちろん、中も下もあるけれど、めんどくさいので上だけ貼った。作者は原爆の悲惨さを後遺症の観点から静かに語った傑作夕凪の街桜の国と同じ、こうの史代さん。押しつけがましくなく、心にしみ入るように伝えるスタイルは今回も変わらず効果的だ。

今度の作品では、太平洋戦争当時の広島と呉を舞台に、そこで多感な年頃を過ごしたひとりの少女、すずの視点から社会情勢と市井の生活を描いている。すずの元来の明るさゆえか、彼女の目で見た戦時下の暮らしは決して暗く重苦しい感じではない。時々家族が死んだりする悲しい出来事もあり、戦争という理不尽な暴力に振り回されながらも憎しみや恨みを抱かず自然に生きる姿に、かえって戦争の愚かさを痛切に感じてしまう。先日、原爆でひどい目に遭いながらもアメリカへの憎しみを抱かなかった日本人はすごいという話をしたが、それもこんなところから思った話だ。

ストレートに暴力や死を伝えるだけが戦争の悲劇の伝え方ではないと教えてもらった作品。

あと、戦時下の暮らしを実に細かいところまで伝えていて、作者が自分と同年代とはとても思えないぐらいだった。その丹念な調査にも恐れ入る。

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